20代で地方起業した時の心構えと、誰も教えてくれない大切なこと

私は20代中盤で東京からとある地方へ移住をして起業をして3年ほど経ちました。

起業と言っても、個人事業主からスタートして、従業員は私と妻を含めて4人になり、先日ようやく法人化をしました。

起業してからの3年間で順調に進んでいるので、改めて地方での起業について振り返ってみたいと思います。

個人起業の話なので、中小企業や大手企業とは大きく考え方が違うと思うので、あくまで個人が起業をするときの事例として気軽に見てください。

20代で東京から地方へ移住をし、店舗を構える商売をしている人はそう多くはないと思うので、若いうちに地方での起業を考えている方の参考になれば幸いです。

どんな事業で起業をしたのか

地方で起業をするといっても色々な種類があると思いますが、私は地方に店舗を構える事業をメインとし、サブの事業で通販で関連商材を販売しています。

メインの事業が店舗といいつつ、売上も利益も圧倒的に通販の方が高く、数字だけで見ると通販がメインの事業なのですが、それでも店舗は私のビジネスの地盤なのです。

店舗のビジネスは1回でも利用してもらえれば、リピーターになってくれる確率が非常に高い商売なので、毎月の売上は安定しており、私がこの地方で起業をしたのは正解だったと言えます。

資金は200万だけ握りしめて地方で起業

店舗の開業資金と生活費を全て合わせて200万しかなく、周りから見れば無謀な挑戦のように思えるかもしれません。

今思うと、これだけの金でそんな行動が起こせたなと、自分でも驚く行動力です。

地方へ移住をして、店舗をオープンさせるまでの期間は、9ヶ月間というゴールを決めていたので、頭と体が自然とあとからついてきた感じです。

目標を設定することは、一般的に大事だと言われていますが、実際自分が目標を設定して、その目標から逃げられない状況を作ってあげると、形が悪くても無理やり目標達成に向けて努力をしていきました。

個人の少ない資金の使い方

資金の200万のうち、100万は店舗の改装費、もう100万は生活費として手元に残しておきました。

改装費を安く抑えたのは、ペンキ塗りや什器の作成などは自分たちで行い、必要最低限の部分をプロに任せました。

安く抑えたからと言っても、目に見える部分はキレイに作ってもらい、お客さんから見えない部分はお金を掛けずに作ってもらいました。

少ない資金の中で、どこの分配していくかが経営者としての資質になると思います。

資金が沢山あり、最初から豪盛にしようと思えばできる人でも、個人のお金には限界があります。

地方で起業を考えている人は、最初は最低限の資金で出来るようにして、リスクを極限まで低くすることを絶対的にオススメします。

こんなこと言ったら、起業で成功している先輩方から怒られるかもしれませんが、もしダメだった時のことまで考えておくことは、自分自身を守るためにも必ず行ってください。

最初から120%のつぎ込むのではなく、60%くらいで見える所にさえお金を使っておくだけで十分だと思っています。 

事業が軌道に乗ればキャッシュも増えてくると思うので、その段階でいい道具を揃えたり、店舗の改装をすればいいと思っています。

なぜ地方で起業をしようと思ったのか

需要と供給の割合の供給が少ない情報を得ていて、困っているという声があったので、地方で起業をすることにしました。

どんなビジネスも闇雲に展開するのではなく、事前にリサーチをすることで失敗するリスクを低くすることができます。

他にも、都心での起業も選択肢の一つでしたが、家賃などの固定費があまりにも高く、少ない資金で起業をするなら地方という選択肢しかなかったというのも理由の一つです。

個人で起業をするなら地方という選択肢を入れることで、選択の幅が大きく広がると思います。

例えば、同じ家賃でも、東京だと徒歩20分のところしか借りれない場合でも、地方だと駅に近い物件を借りられるので、それだけでもビジネスの幅は広くなると思います。

起業はハイリスク?

起業をして失敗をしたら、何千万という借金を背負うというイメージがある人は、漫画やドラマの見すぎです。

実際に私は銀行や政策金融公庫などから借入は一切しておらず、自己資金200万だけで起業をしました。

お金を借りずに、自己資金ですべて行えば失敗をしても借金は当然ありません。

成功するか分からない事業に借金をするのは止めたほうがいいでしょう。

借入は成功する確率が高く、キャッシュがあったほうが効率的にお金を増やせる時だけにしましょう。

ただ、借金=悪では決してなく、お金を増やす時間を短縮できたり、お金を借りてしっかり返すことで信用が大きくなります。

信用が大きくなると、更にまとまったお金をかしてくれるので、いずれ大きな金額が必要になる場合は、少額でも借入を行って実績を作るようにしましょう。

私は自己資金200万のみである程度まとまったキャッシュを増やすことができましたが、流石に時間はかかりました。

借入をしていれば半分の時間で今と同じ額は稼げていたでしょうが、頭では分かっているつもりでも、やはり借入は怖いというイメージがあったので、自分に合った無理のないやり方が理想的です。

地方で起業をするメリット

口コミのパワーは強力

地方で起業をする非常に大きなメリットは、1人と仲良くなればお客さんを10人くらい連れてきてくれるパワーがあります。

地方はネットの口コミより、人同士の口コミが非常に強力で、良いと思ったものはジワジワ口コミで広がっていくので、サービスやコミュニケーションに自信がある方は地方の起業に向いていると言えます。

固定費が安い

他にも、東京に比べ固定費や人件費が抑えられるのも大きなメリットではないでしょうか。

私が借りている物件は、東京で同じ物件だったら2倍〜3倍ほどするでしょうから、リスクが非常に低くなります。

資本力がない個人でも、地方では起業をしやすい環境です。

ライバルが少ない

東京だとニッチな商売でも、ライバルは数多く存在するので、よほど光ったサービスか料金面で魅力的なものを発信していないと生き残れませんが、地方はライバルが少ない分、適当に商売をしている人が非常に多いです。

そこで、サービス面や料金などの部分で魅力的な提案ができれば、地方起業の成功する確率が格段に高くなります。

ホームページさえない店舗や企業が多いので、少しダサくてもホームページを作るだけで大きな差別化に繋がります。

地方で起業をするデメリット

悪い噂も口コミで広がってしまう

口コミが非常に強力なのはメリットでもありますが、悪い噂も口コミで同じくらい広がってしまいます。

口コミというのは良くも悪くも作用するもので、真面目に丁寧なサービスを心がけるしかありません。

労働者確保が大変

東京でも労働者の確保がしにくくなっていると言われていますが、地方がさらに酷く、若い労働力は全て都心に持って行かれているので、メインの労働者が40代〜50代くらいと年齢層が高いです。

特に技術職系の人材は都心から高給で奪い取るくらいの感覚は必要になって来ると思います。

人口減少で事業が成り立たなくなる可能性がある

地方の人口減少が問題になっていますが、人口減少は地方で起業している人にとっては死活問題です。

私も20年後には商売が成り立たなくなる前提で考えており、メインは店舗としつつ通販などのネット事業にも力を入れています。 

メリット・デメリットを考えて、メリットのほうが大きいと思ったら地方で起業するべきですし、デメリットの方が大きいと思ったら地方での起業は止めましょう。

若さは最大の武器

20代で地方で起業をして良かったと感じることは、年齢的なメリットを活かせるということです。

東京から地方へ移住した20代の若者への地元の人の反応は非常に好意的で、積極的にお客さんになってくれたり、周囲に宣伝をしてくれる人が非常に多かったです。

これが30代や40代で起業をしていたら、同じような結果になっていたかというと、正直なところ分かりません。

地域によって異なるかもしれませんが、地方=排他的ではないということです。

また、体力的にも多少無理ができるのも若い時のメリットだと感じています。

早ければ早いほうがメリットも大きくなると思うので、迷っている人は若い時に行動をするようにしましょう。

地方はビジネスチャンスが多く眠っている

私の店舗の近くにパソコン教室があるのですが、50代〜60代くらいの方で非常に賑わっており、生活するには苦労しないくらいに稼ぐことは簡単です。

パソコン教室なので自社のホームページは作っておらず、地元の人の口コミだけで商売が成り立っており、いまの世の中でも、昭和時代のやり方で十分通用するのが地方なのです。

また、技術職の場合、誰でも手軽に商売がしにくいので、利益を独占できる可能性が非常に高いです。

私が起業したのも技術が必要な商売だったので、ライバルも非常に少なくチャンスだと思い起業をして見事に大当たりしました。

大手企業が参入しにくい商売をした

地方で起業する際に一番リスクがあるのは、強力なライバルが現れることです。

特に大きな資本力を持っている企業が簡単に参入できる事業は、地方でも起業をすべきではないと考えます。

大手企業が参入できないようなサービス業やインターネットを使って稼ぐことができるような業種で地方起業するのはメリットが大きいと思います。

飲食店は地雷なので避ける

飲食店は素人でも少しお金とやる気があれば誰でも出来てしまう事業なので、絶対に避けたほうがいいです。

最初は新しいからと言って繁盛するかもしれませんが、半年もすれば飽きられてしまい潰れてしまうことは非常に多いです。

特に誰でも簡単に出せる居酒屋は地雷でしかありません。

地方で飲食店を開きたいなら、寿司職人やフレンチなど素人が気軽に出すことができない業種は生き残れる確率が高くなります。

自分の得意なことを商売にした

興味がないことを商売としてやっていくのは精神的にも大変です。

それなら、少しでも得意なものを事業としてやっていくほうが長続きすると思い、自分の得意分野で起業をしました。

少しでも確率が高い方がいいに決まってます。

一つの商売にこだわりすぎない

好きなことを商売にするということと、矛盾するかもしれませんが、軌道に乗らない場合は、他の収益源を見つけることが大事です。

広告を打たなかったせいか、オープンから2ヶ月はものすごい暇だったので、暇つぶしに関連商材を通販で販売をはじめました。

その結果、想像の10倍以上売れていき、生活費の100万を切り崩して仕入を大量に行い、まとまった売上を作っていくことができました。

そのせいで、手持ちの資金が10万を切るくらいになったこともありますが、商品が売れるのに在庫がないことが損だと思ったので、徹底的に仕入を行いました。

店舗の売上が0でも、通販の売上が1万でもあれば精神的に安定できるものです。

1日の売上が1万で、粗利は1,000円程度なのですが、それでも100倍マシに感じることができました。

選択肢は複数持っておくことは、生きるためにも非常に有効な手段で、どんな事業が成功するかは誰にも分かりません。

分からないからこそ、色々なことにチャレンジをすることで、成功する確率を高めることができます。

東京でなければいけない商売は少ない

出来る人はどこでも成功しますし、失敗をする人はどこでも失敗します。

地方で成功してから東京で勝負するのも一つの方法です。

最初から大きな賭けに出ようとするから、大きな借金を背負ったり、人に迷惑を掛けてしまうことになるんです。

それだったら、誰にも迷惑を掛けないように、手持ちの資金で小さくはじめて、負ける時は小さく、勝つ時は大きく勝った方が良いに決まってます。

起業は大博打ではなく、リスクを徹底的に減らし、ローリスク・ハイリターンを目指していくものだと思います。

1人で起業したほうがいい

他人がいないと起業できないような業種は失敗するので止めたほうがいいでしょう。

なぜなら、起業の最初はどうしても資金繰りが大変で、お金が数ヶ月入ってこないという可能性もあり、その間に誰か一人でも辞めてしまったら事業全体がダメになってしまうことになります。

また、複数で色々な意見が出てくるのはいいですが、意見が通らなかったり、あの時こうしておけば良かったなんてことが起こる可能性もあり、揉めごとになりかねないので、舵取りは1人が取ったほうがスムーズです。

できれば地方企業は、配偶者などの身内だけでやったほうが、お金の面を含め揉めごとは最小限で収めることが出来ます。

専従者給与など活用することで節税面にも大きなメリットがあります。

在庫は持たない方がいい?

ホリエモンの本で、起業を成功させる必要条件みたいなものが書いてあり、その中で在庫リスクがないビジネスをした方がいいと書いてありました。

確かにそれは正解でもありますが、不正解でもあります。

正しくは、売れない商品は在庫を抱えないで、売れる商品は在庫を沢山抱えようです。

今の世の中、通販が世の中に浸透してきて、在庫が1円の価値がなくなり売れないということは考えにくいです。

売れなくなったとしても、ある程度値下げをすれば売れていくので、在庫を持つことはリスクと考えずに適切な仕入を行うことで、リスクもリスクではなくなります。

店舗+インターネットは最強の組み合わせ

店舗を構えるということは、その地域のお客さんと濃密なやり取りができるので、長期間お客さんになる可能性が非常に高いです。

また、インターネットは濃密なやり取りは少なく、長期間お客さんになる可能性は低いですが、全国の人たちがお客さんになる可能性があり、爆発力は凄まじいものがあります。

この2つを組み合わせることで、起業のリスクを下げ、可能性を倍以上にします。

一国一城の主になるということ

個人事業主であろうが、零細企業の社長であろうが、独立を決めた時点で一国一城の主になります。

サラリーマンとは違い、自分の仕事だけ頑張ればいいのではなく、経営のことや税金のことなど、今まで他の誰かがやっていた仕事は全部自分でやらなければいけません。

これを面倒だと思うか、新しいことが知れて楽しいと思うかは人それぞれですが、後者の方が成功する確率は高いでしょう。

最初から税理士に依頼をして経理をやってもらうのではなく、自分自身が経営や税金のことを勉強をすることで、事業に活かせる部分も多くなると思います。

難しいから避けて通るのではなく、難しいけど分かれば楽しいと感じるような気持ちが大切だと思います。

失敗をした時のことも考える

私は事業が軌道に乗らない時の最悪のケースも想定していたので、起業が失敗した時の焦りや恐怖心はあまりありませんでした。

実際、店のオープン当初はお客さんが全然いなくても、焦りや不安はあまりなく、意外と平常心を保てていました。

平常心でいられた理由としては、最悪地方の中小企業の正社員になってもいいと思っていたからです。

地方は慢性的な人手不足なので、中小企業に入ることは難しくないので、最終的な逃げ道は地方での就職でした。

仮に失敗しても、次のチャレンジまでに資金を貯めたり、スキルを向上させてもいいでしょうし、副業をしてお金を稼ぐという選択肢もあるかもしれません。

どの選択肢が自分に合っているかは、実際にやってみるまで分からないので、チャレンジする気持ちは捨ててはいけないと思います。

さいごに:

起業をすると言うと、ハイリスク・ハイリターンのイメージがある人が多いかもしれませんが、しっかりリサーチをして考えて起業をすれば、ローリスク・ハイリターンなのが起業だと思います。

その中で、都心だけではなく地方での起業という選択肢を増やすことで、選択の幅が広がるというメリットもあります。

起業はお金はそこまで持っていない若い人ほど、地方で起業という選択肢はアリなんではないかと個人的には思います。

私も微力ながら地方活性化のために頑張っていきます。 

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